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毎日が新発見

月曜日の雨の午後に

ソール・ベロー(Saul Bellow)を読むつもりで、本が横に置いてある。
数か月前に買い、読みたい気持ちは十分にあったのだけど、手をつけずにいた。
まぁ、時間もなかったし。

ここ数か月の私の文学歴を見ていて、わかる人にはわかると思うが
わたしはユダヤ系文学に非常に興味がある。
というより、時には自分と対比することによって、ものすごく共感したりもする。

ユダヤ人と聞くと、たいていの日本人は第二次世界大戦時のナチスドイツの
話を思い浮かべると思う。
あるいは、大富豪かのどちらかだ。

わたしも最初はそんな一人だった。

民族をひと括りにして語ることはとても危険だ。
そういう発想がかつての大殺戮を産んだわけだし、今も世界のどこかでは
そんな勝手な一括りのために、苦難の人生を歩んでいる人たちもいる。

日本人は、とわたしがここで言っててしまうことだって、大方のところ、自分の
経験や体験をオーバーに脚色して言っているにすぎない。
でも、ユダヤ人作家は、「われわれユダヤ人は」について、非常に客観的な
目線を持っている。

そういう民族論が好きな部分が、なぜか日本人と重なるところがあるんだな。
もちろん歴史はぜんぜんちがう。
かたや、黄金が眠る島と言われた日本に住む私たちと、かたや安住の地の
なかった人たち。

ベローはノーベル賞もピューリッツアー賞もとっている。
すぐれた作家というのは、文学者であるケースはあまりなくて、
彼も人類学者である。
(アメリカ人のノーベル文学賞は過去に10人が受賞、ちなみに
日本人は大江健三郎と川端康成のみ)

さ、やはり途中まででもいいので読むかね。
冷たい雨がふる月曜日の午後にはぴったりかもしれない。
by MySakuranbo | 2012-01-23 15:46 | 趣味のアメリカ | Comments(0)

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