英語の修得についての雑考
2016年 10月 11日
耳で英語を聴きながら、手もとで日本語を書くというのは
けっこうな
けっこうな
作業だと以前は思っていたけれど、このところふつうにできるようになっている。
この前もっとビックリしたのは、朝日新聞を読みながらCNNを聴いていたこと。ごく自然にやっていたのです。
英語力の成長カーブは階段式って前にどっかで書いたっけ?
とにかく、英語はある程度ステップがあがると、一定の調子でつづきます。そこで何もしないでいたら、そのまま曲線はゆるやかに下降して、ある程度のところで止まります。
それは人によると思うんですが、階段の高いところまで行っていれば下限のラインも高くとまる。もし、最初の階段がとても低ければ、下限はおそらく、見る影もないほどゼロに近くなります。そのときには中学校の英語もすべて忘れ去ってしまいます。
逆に、年をとってからでも、いくらでも英語の力を伸ばすことはできると思うのです。
英語の力、と一言でいっても、ニュース用語を理解すること、映画を見れるようになることや、旅で困らない程度の会話ができることなど、いろいろなシチュエーションがあると思います。もっともゴールに早く近づくには、〇〇をするために英語を勉強する、というアバウトな目的をもつことではないかと、そう思うのです。
最近では、アメリカの政治を傍で見ているのが面白くて、もっと理解したいと思っていると自然とそれらの言葉に耳がむく、とそんな方式です。
暇にまかせてこんな表をつくってみました。
日本人は英語を義務教育から(最近は小学生から)8年~10年も勉強しているのに英語が話せるようにならない、と言いますが、決してそれは胸を張って言えることではありません。
語彙については12000語を学んではじめて、英語ネィティブの小学生レベルです。
それに引き替え、日本の高校までは何語かといいますと、だいたい4000語、がんばっている高校で5000語がいいところだと思います。
これでは6歳児でしかなりえないわけです。
簡単な会話はできます。
〇〇がしたい。〇〇が食べたい。
今日は〇〇が意地悪をして、ボクは嫌な気持ちになった。
パパは明日野球に連れてってくれる?
約束は守らないといけない。
先生はこう言ったけれど、ボクはなんだかやりたくなかったんだ。
ボクは将来パイロットになりたいよ。
などなど。
できない会話はこんな感じです。
あなたが悲しいと思ったとき、周りのお友達がどう思ったか想像してみたことがある?
その結果君がとった行動はどんなふうに評価されるべきなのかな。
パパとママが離婚することになっても別に平気だよ。だってボクは自立した男だし、ひとりで
バイトでもなんでもして学費ぐらい稼ぐことができるから。心配無用だよ。
隣の女の子のことが好きなんだけど、どうやって気持ちを打ち明けようか悩んでいるんだ。
彼女が好きなものをプレゼントしたいけど、ママならどんなものがいいと思う?
6歳と12歳の会話の中身はそんなに変わりません。
でも、目に見えない気持ちや物事への表現方法、長い文章を理路整然と伝える方法。
そして、相手との会話のキャッチボールが相手の考えを読んだ上で適切な表現を伝える。
これが12歳の会話だと思うのです。
おませな子は政治や恋愛のことももっと話すでしょう。
そういう教育をもっと日本でやらない限り、とてもじゃないけれど「英語を使う」レベルには至らないのでないかと心配してしまうのです。
必要がないかもしれません。
でも、6歳児が近所で遊び、12歳児が自転車ででかけるようになるのと一緒で、18歳になったとき自分の周りの世界をもっと広げたいと思うのであれば(親がそう思うのであれば)、英語の勉強の有り方を根本的に変える必要があると思うのです。
その方法は:
1 本を沢山読む(もちろん英語)
2 単語を沢山覚える(本からでもニュースからでも映画からでも)
3 誰かが言うことを真似する(映画でもニュースでも演説でも)
4 英語の環境にできるだけ長く置く(一週間に何時間と必ず決めるなど)
が考えられます。
4については、そんなん無理やわ、と思うかもしれません。
「2時間英語で映画を見続ける」もひとつの方法。
「1時間ニュースを聞き続ける」もよし。
ある瞬間、耳から日本語をシャットアウトし、どっぷりとつかる必要があるのです。
そのとき、日本語と対応しなくなっていることに、いつか気づくはずです。
President=大統領かもしれないし、President=社長かもしれない。
頭の中でいちいち置き換えなくても、その会話のシチュエーションで何を言っているのかを必死にとらえようとすることを、継続的に続けていけば、必ず道は開けます。
今からでも遅くないです。
私も毎日階段をひとつでもあがれるようにKeep upするつもりです。
世界は思ったより近いですからね。